
海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 連邦行政機関の改革や管理に関する大統領令発行後の特許出願の審査状況
米国連邦政府は、2025年1月20日の新大統領就任以降、連邦政府機関の機構改革や管理に関し、大統領令/覚書の発布および公式通知の発行を行っています。 その中には、連邦政府職員の対面勤務への復帰、および、政府職員の新規採用凍結といった大統領覚書も含まれます。 米国特許商標庁(USPTO)が月次で公表している特許統計データ(Patent Dashboard)にもとづき、特許出願の審査への影響を探ります。
2.米国 特許審判部における業務量調整のための暫定手続を補足する問答集を公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年4月25日、特許付与後の再審理手続(当事者系レビュー、付与後レビュー)について、特許審判部(PTAB)に再審理申立があった場合の審理開始可否の決定のために定めた暫定的手続に関する問答集(FAQ)を公表しました。
3.米国 特許制度に脅威を与えるような特許出願の不正行為を防止するための作業部会を発足
米国特許商標庁(USPTO)は、2025 年4月16日、特許制度に脅威を与えるような特許出願手続における不正行為(虚偽や詐欺などの行為)への対策を目的として、新たな作業部会(Patent Fraud Detection and Mitigation Working Group)を発足させることを公表しました。
4.欧州 2024年欧州特許出願指標を公表
欧州特許庁(EPO)は、2025年3月25日、2024年欧州特許出願指標(EPO Patent Index 2024)を公表しました。
5.欧州 審判参加人が単独で審判手続を続けることができるのか否かについて長官意見を提出
欧州特許庁(EPO)長官は、2025年4月15日、拡大審判部で審理中の事件(G 2/24:"Skin cleanser"事件)において、意見書を提出しました。この事件は、拡大審判部に対し、「異議決定に対する審判手続に参加した第三者(参加人)が単独でその手続を進めることができるのか否か」の問題についての質問が付託され、審理が進められているものです。意見書は、拡大審判部からの求めに応じて提出されたものです。
6.欧州 オンラインで公開された文書が基準日前に公衆に利用可能であったか否かを判断した審決
欧州特許庁(EPO)技術審判部は、2024年12月18日、オンラインで公開された文書が基準日前に公衆に利用可能であったことを立証するための基準に関する審決(T 832/22)を下しました。本事案では、先行技術として引用されたマニュアルがオンライン公開されたものであり、その公開が特許の基準日前に行われたことの立証がデジタルフォレンジックによる報告書に基づくものでした。証拠基準の考え方などの参考事例として取り上げました。
7.韓国 特許庁に生命科学分野の特許出願の審査専門組織を新設
韓国特許庁(KIPO)は、2025年3月10日、生命科学分野の特許出願の審査を専門に担当する組織を発足させることを公表しました。
8.シンガポール 特許出願および商標出願についての新たな加速審査プログラムを開始
シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2025年5月8日、特許出願および商標出願の有料の加速審査プログラムを立ち上げる旨の通知状(特許:Circular No. 1/20252023; 商標:Circular No. 2/202)を公示しました。 これらの加速審査プログラムの申請受付は、2025年5月20日から開始されます。
9.ベトナム 日本特許庁との特許審査ハイウェイ(PPH)について2024年度の申請受付件数を公表
ベトナム知的財産庁(NOIP)は、2025年4月4日、日本特許庁(JPO)との特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムについて、ベトナム特許出願における2024年度のPPH申請受付件数を公表しました。
10.エチオピア パリ条約加盟書を世界知的所有権機関に寄託
エチオピア政府は、2025年5月15日、工業所有権の保護に関するパリ条約(パリ条約)への加盟書を世界知的所有権機関(WIPO)事務局長に寄託しました。エチオピアについて、パリ条約は、2025年8月15日に発効します。
11.WIPO 特定の技術標準化組織への標準必須特許宣言書の提出情報の公表を開始
世界知的所有権機関(WIPO)は、2025年4月30日、同機関の特許検索システム(PATENTSCOPE)について、特定の技術標準化組織への標準必須特許(SEP)宣言書の提出に関する情報を掲載する仕様変更を行ったことを公表しました。
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