海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許審査ハイウェイを利用した特許出願の審査状況と今後の審査方針を公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年10月28日、2024年(暦年)における特許審査ハイウェイ(PPH)を利用した特許出願の審査状況を公表しました。また、PPHを利用しない特許出願の最初の庁通知までの係属月数が大きいことを考慮し、全ての出願人が受ける利益の均衡が図られるよう、PPHを利用する特許出願の今後の審査を進めるとの方針を示しました。
2.米国 特許付与後の再審理申立の際に先行技術調査の情報を提出するオプションを導入
米国特許商標庁(USPTO)長官は、2025年11月17日、特許審判部(PTAB)における特許付与後の再審理手続(当事者系再審理/付与後再審理)について、再審理申立人の任意で、先行技術調査に関する情報を提出するオプションを導入する旨の覚書を発行しました。本オプションは、即日施行されました。
3.欧州 単一効特許制度や統一特許裁判所制度に関する入門解説書の日本語版を公表
欧州特許庁(EPO)は、EPOの公用語で発行されていた欧州単一効特許(UP)制度と欧州統一特許裁判所(UPC)制度に関する入門解説書を、日本語を含む25超の言語に翻訳し、webサイトに公開しました。
4.中国 専利審査指南の一部改正を公布
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2025年11月10日、専利指南の一部改正に関する局令(2025年 第84号)を公布しました。改正専利指南は、2026年1月1日から施行されます。
5.中国 意匠専利の合案(複数意匠を1件で)出願に関する指針を発行
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2025年10月31日、意匠専利の合案出願制度(複数意匠を1件で出願)を正確に理解して活用できるようにするために、「意匠専利の合案出願指針」を発行しました。指針は、複数意匠を1件で出願できる要件について事例を挙げて解説するとともに、出願書類の作成例も示しています。
6.中国 専利文書の拡張マークアップ言語形式による電子提出の完全実施を通知(続報)
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2025年11月12日、電子提出される専利(発明、実用新案・意匠)関連の特定の書類について、拡張マークアップ言語(XML)形式での提出を義務付ける旨の局令(2025年 第57号)を公布しました。この局令は2026年1月1日から施行され、同日以降、XML以外の形式でCNIPAに電子提出される当該書類は受理されなくなります。当該書類には、専利出願書類、特許協力条約(PCT)にもとづく国際出願(PCT出願)の中国移行出願、などが含まれます。
7.インドネシア 特許の実施供述書の提出期限が迫る
インドネシア知的財産総局(DGIP)は、インドネシアで取得した特許について、2024年改正特許法において定められたインドネシア国内での実施に関する供述書の提出ための書式(AFFIDAVIT OF PATENT IMPLEMENTATION IN INDONESIA)を公表しました。この供述書は、暦年毎、年末までに提出することが義務付けられています。
8.フィリピン 人工知能に関連した特許・意匠出願についての審査指針を公表
フィリピン知的財産庁(IPOPHL)は、2025年7月、「人工知能に関する発明、実用新案、意匠出願の審査ガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、人工知能(AI)関連発明、および、AIの支援/生成のもとで創作された意匠について、発明者/創作者の地位、保護適格性、明細書や請求範囲の記載などに関する指針を示しています。
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