海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許商標庁の公開情報を提供するポータルの利用にアカウント登録が必須に
米国特許商標庁(USPTO)は、2026年5月1日、USPTOの公開情報を提供しているポータル(Open Data Portal)の利用に際してアカウント(USPTO.gov アカウント)の取得を必須とし、これまで自由にアクセスできていたものを、当該アカウントからのアクセスに制限すると通知しました。この措置は、2026年6月18日から実施されます。
2.米国 主題適格性拒絶の克服のための効果的な規則132条の宣言書提出に関する覚書を改定
米国特許商標庁(USPTO)長官は、2026年4月30日、米国特許法101条にもとづく主題適格性拒絶を克服するために特許規則132条の宣誓/宣言書を提出することに関し、効果的な提出方法を示した覚書を改定しました。 旧覚書は2025年12月に発行されましたが、実務者からフィードバックされた意見を踏まえ、改定されたものです。
3.米国 査定系特許審判の早期審理試行プログラムの期間を延長
米国特許商標庁(USPTO)は、2026年5月6日付け連邦官報に、査定系特許審判の早期審理を行う試行プログラムの期間を、2028年5月6日まで延長することを公示しました。延長にあたり、本試行プログラムへの参加から審決までの目標期間が6月から4月に短縮され、より早く結論を得ることが可能になりました。
4.米国 特許手続における詐欺行為および虚偽代理などへの対応状況を公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2026年5月12日、特許手続における不正行為から特許制度の健全性を守るための取組の一環として、不正行為の事例や不正行為に対する対処状況を公表しました。
5.欧州 電子通信手段による書類のやり取りを原則とする欧州特許条約実施規則の改正
欧州特許庁(EPO)は、2026年4月30日付け公報(Official Journal)に、欧州特許条約(EPC)実施規則について、EPOの手続における書類のやり取りを原則電子的手段に一本化する規則改正を公示しました。本改正は、代理人の団体への委任に関する条項(規則152条(11))の変更が2026年6月1日から適用されることを除き、2027年4月1日に施行されます。
6.中国 最高人民法院が知的財産権侵害の懲罰的賠償に関する司法解釈を改定
中国最高人民法院は、2026年4月17日、知的財産権関連法が知財財産権を故意に侵害し情状が深刻である場合に懲罰的賠償を科すと規定している懲罰的損害賠償制度について、制度開始以降に生じた新たな状況や問題点に対処するため、従来の司法解釈を改正し、新たな司法解釈(法釈(2026)7号)を公布しました。改正された司法解釈は、2026年5月1日に施行されます。
7.中国 人工知能エージェントを使用して特許出願書類を作成することにより生じるリスクを警告
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2026年4月1日、Weixin Official Accounts Platform(テンセント社が提供する企業・団体向け公式アカウント)において、OpenClawなどの人工知能(AI)エージェントを使用した特許出願書類の作成ついて、そのリスクに関する警告を発しました。
8.韓国 技術分野別審査実務ガイドの人工知能分野に審査事例を追加
韓国知的財産処(MOIP)は、2026年1月15日、技術分野別審査実務ガイドの人工知能(AI)分野の部分に審査事例を追加する改定を行いました。また、MOIPは、2026年3月に、それらの事例を盛り込んだAI分野審査実務ガイドの英語版を公表しました。
9.英国 アニメーションなどの意匠出願の原則を明確化する意匠実務指針を発行
英国知的財産庁(UKIPO)は、2026年4月21日、グラフィックシンボル、アイコン、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)などの意匠に関する実務を明確にする意匠実務通知(Designs Practice Notice; DPN) 01/26を発行しました。 この実務通知は、特に、それらの意匠にアニメーションや動きが組み込まれている場合の取扱についての一般原則を明確にするものです。この意匠実務通知は、発行と同日に施行されました。
10.ベトナム 改正知的財産法の実施細則を施行
ベトナム科学技術省(MST)は、2026年4月1日、改正知的財産法の実施細則となる政令(Decree No. 100/2026/ND-CP)、および、手続の詳細や新書式を定めた通達(Circular No. 10/2026/TT-BKHCN)を、改正知的財産法の発効に合わせて施行しました。
11.タイ 電子商取引での使用のために迅速な商標登録を可能にする早期審査制度を開始
タイ知的財産庁(DIP)は、2026年1月1日、電子商取引での使用のために迅速な商標登録が必要な商標について、早期審査を可能とする制度(Fast Track 4 Month Plus)を開始しました。制度の要件を満たす商標出願は、出願から4月以内に最初の庁通知を受けることができます。
12.ASPEC 加盟各国でより早期に特許出願の審査結果を受けられる'ASPEC +'プログラムを立上
ASEAN特許審査協力体(ASPEC)は、2026年4月6日、ASEAN加盟国の内の9国による既存のASPECプログラムにおいて、新たに"ASPEC+"プログラムを立ち上げました。'ASPEC+'プログラムは、既存のASPECプログラムの問題点を改善するもので、加盟各国の特許審査において協調的なアプローチを導入することにより、迅速かつ効率的に特許を取得できるようにするものです。
13.バハマ 特許協力条約への加盟書を寄託
バハマ政府は、2026年5月19日、特許協力条約(PCT)への加盟書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託しました。バハマについて、PCTは、2026年8月19日に発効します。
14.国際出願 国際調査手数料の一部改定
日本特許庁(JPO)は、2026年5月1日、特許協力条約(PCT)にもとづく国際出願手数料の内、国際調査手数料の一部改定を公表しました。この改定は、2026年6月1日から適用になります。なお、今回、その他の国際出願関係の手数料に変更はありません。
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