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弁理士法人 鈴榮特許綜合ニュース海外情報2026年7月号

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2026/08/05

 

海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。

1.米国 特許出願および特許の手続の故意でない遅延の救済申請に関する手続を変更
   米国特許商標庁(USPTO)は、2026年6月24日付け連邦官報に、特許出願および特許における手続の故意でない遅延に対して救済を求める申請手続の変更を公示しました。変更には、申請手続のための手数料の賦課に関する規則改正が含まれます。変更は、手続遅延により失効した特許出願または特許が権利回復されることによる不確実性を解消するために、救済申請の適時提出を促すことを目的としています。変更は、2026年8月13日に発効し、それ以降に提出されるすべての救済申請に適用されます。

 

2.米国 特許付与後の再審理手続の開始可否の裁量による決定において考慮する事項を明確化
   米国特許商標庁(USPTO)長官は、2026年5月14日および6月15日、特許付与後の再審理(当事者系レビュー (IPR)、特許付与後レビュー (PGR))の申立について、長官の裁量による手続の開始可否の判断において考慮される事項を示した2つの決定を、先例(precedential)および参考例(informative)に指定しました。

 

3.米国 特許審判部の「再審理開始についての決定」に不服がある場合の長官レビューの請求手続を変更
   米国特許商標庁(USPTO)は、2026年6月29日、特許付与後の再審理(当事者系レビュー/特許付与後レビュー)の申立に関し、特許審判部(PTAB)による再審理の開始決定に対しUSPTO長官によるレビューを請求するための手続変更を通知しました。この変更は、"Light & Wonder v. Evolution Malta"のIPR事件において2026年6月に出された長官決定(先例(precedential)に指定)にしたがったものです。

 

4.欧州 統一特許裁判所が技術的特徴と非技術的特徴の両方を含む発明の進歩性について判断
   欧州統一特許裁判所控訴裁判所(UPC-CoA)は、2026年4月17日、"Abbott Diabetes Care v. Sinocare"事件の控訴審判決において、コンピュータ実装発明に関する欧州特許の進歩性判断について、UPC-CoAの既判決で示されたアプローチを踏襲するとともに、請求項に係る発明が「技術的特徴」と「非技術的特徴」の両方を備えた場合の扱いを判示しました。

 

5.中国 商標法を改正
   中国中央人民政府は、2026年6月26日付け中国主席令(第77号)により、第14期全国人民代表大会常務委員会第23回会議において改正され採択された、新たな『中華人民共和国商標法』を公布しました。同法は、2027年1月1日に施行されます。今回の改正は、中国商標法が1983年に公布されて以来5回目の改正となります。

 

6.中国 発明専利出願に発明者として記名される資格について判断
   中国最高人民法院は、2026年6月10日、発明専利出願に発明者として記名される資格について争われた事件の判決((2025) 最高法知民ネ~491号)において、真の発明者と判断する際の立証責任の所在、および、考慮すべき事項を判示しました。

 

7.シンガポール 特許審査ハイウェイの利用促進のための手続変更を通知
   シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2026年6月10日、特許審査ハイウェイ(PPH)の利用促進をはかるための手続変更を通知(Circular No. 2/2026)しました。

 

8.マレーシア 2022年改正特許法において未施行になっていた規定を施行
   マレーシア知的財産公社(MyIPO)は、2025年10月10日付け登録局通知(Notice No. 1/2025)により、2022年改正特許法(Patents (Amendment) Act 2022)において未施行となっていた一部規定を、2025年12月31日に施行しています。それら規定の細則となる2025年改正特許規則(P.U. (A) 362 Patents (Amendment) Regulations 2025)、手続の詳細や様式を定めた指令(PT01/2025)、書類の電子提出に関する実務通知(Practice Notice No. 1/2025)も、同日に施行されました。

 

9.スイス 改正特許法およびその施行規則の施行を決定
   スイス連邦知的財産庁(IGE)は、2026年5月20日、改正特許法の施行規則となる特許規則の改正案(特許条例)が連邦参事会(内閣に相当)で承認されたことにより、改正特許法、および、改正特許規則が2027年1月1日に発効することを通知しました。

 

10.カナダ 特許可能な主題の判断に関する指針を改定
   カナダ知的財産庁(CIPO)は、2026年3月24日、特許可能な主題(主題適格性)について、カナダの連邦裁判所(FC)や連邦控訴裁判所(FCA)における最近の判決を受け、主題適格性の判断に関する指針を改定しました。本改定指針の発行により、2020年発行の主題適格性の判断に関する旧指針が廃止されました。

 

11.メキシコ 産業財産法の改正とその施行規則が発効
   メキシコ産業財産庁(IMPI)は、2026年4月5日、特許/意匠/商標などの知的財産に関する産業財産保護法(LFPPI)の改正が2026年4月3日付け連邦官報に公示されたことを公表しました。また、IMPIは、2026年4月29日、改正LFPPIのための新たな施行規則を規定した政令を2026年4月28日付け連邦官報に公示したことを公表しました。改正LFPPIは2026年4月4日に発効しており、新たな施行規則は2026年7月23日に発効します。

 

12.オーストラリア コンピュータ実装発明に関する特許審査基準を改定
   オーストラリア知的財産庁(IPA)は、2026年7月3日、特許審査基準・実務マニュアルのコンピュータ実装発明の項(Section 5.6.8.6)の改定を公表しました。改定は、コンピュータ実装発明の主題適格性判断の問題を扱ったAristocrat事件において、IPAの特許長官による主題不適格の決定を覆した2025年の連邦控訴裁判所大法廷(FCAFC)判決につき、高等裁判所(HCA: 最高裁判所に相当)が特許長官による上告を棄却したことにしたがったものです。改定は、2025年FCAFC判決の内容を審査基準に反映させています。

 

13.WIPO 意匠国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定の規則の一部改正を施行
   世界知的所有権機関(WIPO)は、2026年6月10日、意匠国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定(ハーグ協定)の第21規則(変更の記録)の改正、および、その改正に関連した手数料一覧表および第26規則の改正を施行することを通知しました。これら改正は、2026年7月1日に発効します。

 

14.WIPO 国際標準に準拠した核酸/アミノ酸配列表の作成支援ソフトウェアを更新
   世界知的所有権機関(WIPO)は、2026年6月15日、特許出願において提出される核酸/アミノ酸配列表について、WIPO国際標準 ST.26に準拠した配列表の作成を支援するためのアプリケーションソフトウェア(WIPO Sequence Suite)の更新版(Version 3.1.2)のリリースを通知しました。更新版は、2026年6月30日から利用可能になっています。なお、更新版のバグが報告され、それらを修正したVersion 3.1.3が最新版になっています。

 

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